漫画ランキング記事の是非
はじめに
オススメ漫画ランキング100!みたいな記事はよく見ます。
一つの作品を紹介する記事よりも人気が出ることも多い一方、こういうタイプの記事に対する批判も目につきます。
漫画系ブログを書いている者としては、こうした賛否両論は気になるものです。
そこで、漫画ランキング記事に対する雑感を書いてみたいと思います。
よくみる批判について
ランキング記事に対して、よく見かける批判・疑問としては、だいたい以下の通りでしょうか。
・長すぎて読む気がしない
・下の順位から書くな(1位から書け)
・アフィリエイト目的だろ
・本当に全部読んでいるのか?
・個々の漫画についての内容が浅い
・あの漫画が入ってない(又は順位が低い)からこのランキングはダメ
・SPAMか
・順位付けに理由がみえない
なるほど、と納得して賛同できるものから、「嫌なら読まなければ良いのでは?」、「代わりに自分でオススメ記事なりランキング記事なりを書けば良いのでは?」と言いたくなるものまで、様々な意見があるように感じます。
個人的な考え
個人的には、ブログに何を書こうが、公序良俗に反していたりしない限り、本人の自由だと思います。
その代わり、内容が酷ければ、読者が離れるだけのことでしょう。
では、果たして漫画ランキング記事は参考になるか?
これについては、ケースバイケースだと考えています。
一口に漫画ランキング記事といっても、ただ単に有名な漫画を並べたように見えるだけのものから、ランキングに一貫した書き手の好み・こだわり・選考における思想な見えるものまで様々です。
前者については、参考にならないですし、後者については参考になったり、仮にならないとしても読み物として面白かったりします。
個人的には、
・普段から記事を読んでいて信頼できるブロガーか
・個々の作品を紹介する文章が最低限の量があるか
・上位に入っている漫画や自分が好きな漫画の記載を読んでみて納得感があるか
というあたりから、参考にできるランキングかを判断している気がします。
おわりに
皆さんは、漫画ランキング記事、好きですか?嫌いですか?
参考までに、以前書いたランキング記事です。
(力を抜いて書いた記事に100ブクマ以上ついたりする一方、労力のわりにそこまでこの記事にはブクマは付きませんでした)
その他のおすすめ記事
カルトと親の宗教教育と子の自由
はじめに
清水富美加さんの「出家」に関する騒動を見たり、「カルト村で生まれました。」を読んだりすると気になってくること。
それは、親の宗教教育と子どもの自由・自己決定権との関係です。
例えば、親の子どもに対する宗教教育・指導はどこまで許されるのか、それは子どもの自由を侵害しているのではないか、とかそういう話です。
清水富美加さんの場合
清水富美加さんについては、親の影響がどのように働いていたかはよく分かりません。
ただ、両親ともに幸福の科学の信者であり、本人も幼い頃から教えを固く信じていたということなので、両親の教育が信仰に一定程度影響したという可能性はありそうです。
この件については、事実関係がよく分からない以上、なんとも言えません。
「カルト村で生まれました。」の場合
「カルト村で生まれました。」は、高田かやのコミックエッセイ。
カルト村ってどんなとこ?|カルト村で生まれました。|CREA WEB(クレア ウェブ)
所有のない社会を目指して集団生活を行う「カルト村」。
(明言はされていませんが、作中の描写は、「ヤマギシ会」に近いようです。)
そこで育った著者が、幼少期を振り返って描いた衝撃的な作品です。
続編の「さよなら、カルト村。思春期から村を出るまで」もあります。
こちらについては、親の影響はもっと分かりやすいところ。
両親が「カルト村」にいた著者に、カルト村以外で生活する選択肢はありませんでした。
親の宗教教育
ここからが本題です。
親の宗教教育はどこまで許されるのか。
抽象的に考えると、
・親が子を洗脳するようなことをしてはいけない
・子の信仰は、子の自由意思に任せるべき
ということは言えるでしょう。
抽象的には、ここまでは異論はあまりなさそうです。
しかし、どこまでが教育なのか、どこまで子どもの自由意思というのが存在するのかは難しいような気がするのです。
例えば、私の両親は、初詣として神社にいき、仏教式の葬式をし、クリスマスには子どもにサンタが来ると教えてこれを祝い、宗教を聞かれたらおそらく仏教徒と答えるであろう、(日本によくいそうな)信仰心のそこまであつくない仏教徒です。
私は、この両親の元で育ち、同じような信仰心を持つに至りました。
(といっても、神仏を意識するのは、腹痛のときくらいのものなので、大分信仰心は薄いかもしれませんが…。)
このような私の信仰の状況が、全て自分の自由意思によるものとはあまり思えません。
私の信仰心は、両親からの教育、周囲の環境、個人的な経験など様々からなっており、その中でも両親からの教えは大きいような気がするのです。
他の条件が同じで、両親が信仰心の薄いキリスト教徒であれば、私も同じように信仰心の薄いキリスト教徒になっていたかもしれません。
別に、私が両親に洗脳されたとかそういうことを言いたいわけではなく、親の影響力の元で、子どもの自由意思というのは、どこまで発揮できるのか?ということが言いたいのです。
ある程度成長してからはともかく、幼少期は、親の言うことが絶対のようなところもありますから、親の教育から離れた子どもの自由意思というものをどこまで想定できるかは疑問です。
また、例えば、「カルト村」の両親が、その思想のもとで、子どもに自由に思想を選ばせようと思ったらどうすれば良いのか、というのは、なかなか難しい問題のような気がします。
現時点での印象
そもそも、問題設定すらあやふやで、考えがまとまっていないところではあるのですが、漠然と考えているのとを書いてみます。
一言で言えば、ケースバイケースなのでしょう。
個々のケースにおいて、判断要素になりそうなのは、以下のとおりです。
・子どもの年齢
(子どもの年齢が高いほど批判能力があり、親以外と接する機会もあるので、一定の偏った教育も許容しやすく感じます。)
・教育の内容、態様
(他の考えを一切許さなかったり、信仰しないと悲惨な目に会う、といった教育には問題がありそうです。教育と洗脳の違いもここで出てくるのでしょう。また、宗教色の薄い、道徳的な教えは許容されやすそうです。)
・宗教の種類
(カルトと言われている宗教に関する教育は許容し難い印象があり、なんとなく伝統的な宗教だとより許容しやすい気がします〔それで良いのか?という問題もありますが〕)
はなはだ漠然とした考えではありますが、何か上記の考えについてご意見があれば伺いたいところです。
「カルト村で生まれました。」の面白さ
本題からは外れますが、「カルト村で生まれました。」「さよなら、カルト村。思春期から村を出るまで」をもう少し紹介しましょう。
著者は、既に村を出ており、「カルト村」の思想は持っていないようですが、かといって「カルト村」を激しく糾弾するわけではなく、どこかほのぼのタッチで村が描写されます。
ただし、その内容は、懲罰として食事抜きや体罰(髪の毛を掴んで壁に打ち付けるなどが日常的に行われていたり、物の私有が禁止されていたり、集団生活でシラミがわいてDDT散布が行われたり、と衝撃の連続です。
(読んでいると忘れそうになりますが、平成に入ってからの話です。)
このタッチなのは、真面目に描き出すと内容が重すぎるという配慮なのかもしれません。
著者は、十分に食事を与えられていないので、いつもお腹を空かせているのですが、それでもお供え物には手を出さなかったり、祖母の家でも母親の顔を立てるために我慢したりといった描写が切ないです。
著者はそこまで村に批判的ではないのに対し、ところどころで、著者の夫が批判的なツッコミを入れるところもなかなか面白いところ。
(しかし、その夫のツッコミを漫画に描いているのもまた著者なんですよね。)
続編では、中等部・高等部などの生活から著者がカルト村を出るまでが描かれます。
村から出ることを決意するあたりは、そこはかとなく、トゥルーマン・ショーを思い出しました。
「カルト村で生まれました。」しか読んでいない方は、続編も是非読んでみてください。
※「カルト」という言葉自体、多義的なものです。この記事は、特定の宗教をカルトであると断言する内容ではありません。念のため。
ワールドトリガー名場面・名言まとめ【ボーダー入隊編】
ワールドトリガーの名シーン・名言集。
黒トリガー争奪戦編の次は、ボーダー入隊編です。
過去の記事はこちら。
れ……0.6秒……!!?
ボーダーに入隊した遊真と千佳。
2人はまずはB級隊員への昇格を目指します。
そのために必要になるのが、合同訓練とランク戦。
その合同訓練としての対近界民戦闘訓練でのシーン。
遊真が、大型近界民を一閃で倒してしまいました。
「初めてでは1分切れれば良いほう」とのこと。
黒江が11秒、木虎が9秒、緑川が4秒ということなので、この記録は相当にすごそうです。
もう一回やり直すとさらに0.4秒に縮みます。
この後、風間が遊真を褒めると、菊地原が「誰だって慣れればあれくらい」というところも良いですね。(嫉妬でしょうか?)
!! か……か か か 烏丸先輩(木虎藍)
烏丸が来ていきなりドキドキ乙女モードになる木虎。
普段とのギャップが良いです。
このあと、修が烏丸先輩の弟子と聞いて白眼をむいて嫉妬します。
千佳が基地をブチ抜くシーン
狙撃手志望組の千佳。
アイビスで的を撃ったと思ったら、基地の壁をぶち抜いてしまいます。
さすがは玉狛のトリオン怪獣。
見開きがカッコ良いシーンでもあります。
「ダメでもともと」「負けも経験」いかにも三流の考えそうなことね 勝つつもりでやらなきゃ勝つための経験は積めないわ(木虎藍)
修は、風間に模擬戦を持ちかけられ、これを了承。
木虎は、「一方的にやられて恥をかくだけ」と一応心配してくれています。
他の隊員を退出させる時枝の優しさも光ります。
模擬戦が始まってみると、大方の予想通り、修は一方的に6連続でダウンを取られてしまいます…。
見るに耐えないとこれをやめさせようとする木虎。
修のことを心配してくれているのでしょうか。
遊真が、修は先のことを考えて経験を積んでるんだよ、と言ったのに対して述べたのがこのセリフ。
主人公が頑張っているというのに、なかなかこの漫画は手厳しい。
良いこと言うな、と烏丸に褒められて喜ぶ木虎も良いですね。
もうひと勝負お願いします(三雲修)
迅が黒トリガーを差し出したことを知って、もうひと勝負を求める修。
20戦以上瞬殺されてもなお心が折れないところはカッコ良い。
お前は弱いけど馬鹿じゃない(烏丸京介)
修の回想シーンでの烏丸のセリフ。
烏丸は、小南にウソばっかり言ってるわりに、修については「『今後に期待』……としか言えない」と言って、気休めは言わずに真摯に評価してるんですよね。
このセリフも、修のことを正確に分析してくれているものだと思います。
「スラスター」ON!!(三雲修)
ここまで風間に24連敗した修。
迅のことを聞いて決意を新たにしたと言っても、風間との実力の差はそう簡単には埋まりません。
そこで、修がとった戦法は、意表をついたシールドチャージ。
この知恵と工夫によって、なんとか風間との引き分けに持ち込むのでした。
0勝24敗1引き分けとはいえ、この時点の修としては大きな成果でしょう。
はっきり言って弱いな(中略)だが 自分の弱さをよく自覚していて それゆえの発想と相手を読む頭がある 知恵と工夫を使う戦い方は 俺は嫌いじゃない(風間蒼也)
烏丸に修の感想を聞かれた風間のセリフ。
冒頭で弱いと言いつつ後半で結構褒めています。
遊真vs緑川戦でも、会議中に模擬戦を気にしていたりして、玉狛第二のことを気にかけているようです。
…これでいい こっちのほうが あんたとの差がよくわかる(緑川駿)
遊真と10本勝負をする緑川。
途中から遊真の強さに気付きます。
スコーピオン以外のトリガーを使わないのかと聞かれた緑川が言ったのがこのセリフ。
調子に乗ってた緑川ですが、謙虚に実力の差を認めたようです。
内心では「こいつは… …いや この人は」とわざわざ言い換えてるのに、声に出すときは「あんた」なのは、やっぱりまだ子どもっぽいところでしょうか。
この後、遊真と緑川がライバルになるところも良いですね。
迅も嬉しそうです。
いよいよ次は大規模侵攻編です。名シーンが目白押しですね。
その他のオススメ記事
全ての「ライダーベルトを買ってもらえなかった女の子」たちへ(「トクサツガガガ」の話)
先日、放送された「フルタチさん」の内容が話題になっています。
その他のオススメ記事
おすすめ能力バトル漫画ランキング50
いつの頃からか,巷には能力バトル漫画が大量にあふれるようになってきました。
そこで,数ある能力バトル漫画・現代異能バトル漫画の中から,私なりのオススメのランキングを作りました。
(若干のネタバレを含みますが、主観的にストーリーの核心に触れるようなネタバレは避けたつもりです。)
参考までに,能力バトルに関する私の好みとしては,
・基本的には頭脳戦が好き。一方で、血統や覚醒、根性、ご都合主義による勝利であっても,流れが自然だったり,展開が熱ければ嫌いではない。技名だけいって「どん!」で謎の決着がついたとしても、カッコ良かったりすれば良い。
・自分の能力をペラペラ喋るタイプよりは,お互い探り合いから始める漫画の方が好き。ただし,前者も様式美として嫌いではない。
というところです。
一応ランキングを作る際のルールは,以下のとおり。
・最近の作品には若干評価を甘くする
(既存のランキングと同じになっても つまらないので)
・能力バトル,現代異能バトルの定義は確立されていないので,少しでもそれらしいものは能力バトル漫画に含まれるものとする。あえて定義するとしたら「私が能力バトル・現代異能バトルだと思ったもの」。
あくまで個人的な好みであり,順位付けはいい加減です。
いろいろと異論はあるかもしれませんが,ご笑覧ください。
なお,作品によって紹介文の長さが違うのは,過去の記事をリライトしているものがあるのと,きちんと書く時間がなかったものがあるためです。
短いものについては,そのうち書き足したいと思います。
1位 ワールドトリガー(葦原大介)
いきなり1位が典型的な能力バトル漫画ではないのですが,大好きな漫画なのでご容赦ください。
ジャンルとしてはSFバトル・アクション漫画です。
あらすじ:
人口28万人の街,三門市。
ある日,この街に,異世界への門(ゲート)が開く。
門からは,異世界からの怪物があらわれ,付近の街を蹂躙する。
近界民(ネイバー)と呼ばれる怪物には,地球上の兵器は効かず,街は恐怖に包まれた・・・。
そこに,突如現れて,怪物を撃退した謎の一団「ボーダー」。
彼らは,ネイバーの技術を研究し,地球を守るための組織だった。
ボーダーがネイバーに対する防衛体制を構築したことで,ゲートが開いてから4年が経過した現在,街は平和を取り戻していた…。
ストーリーは,このボーダーの一員として,主人公の三雲修(上記画像)らが,ネイバーや他のボーダー隊員とバトルする内容になっています。(対ボーダー隊員は,主に模擬戦闘。)
バトルで使用されるのは,主に,トリガーと呼ばれる汎用性のある武器。
(刀剣状のものやライフル状のものなど。上記画像参照。)
また,これに加えて,一部のキャラは,予知能力や嘘を見抜くなどの特殊能力(サイドエフェクト)を持っています。
バトルの描写は、サバゲーっぽいと言われたりもしています(特に模擬戦闘)。
一方、ネイバーとの戦闘では、相手の武器(トリガー)の能力・特性が分からないことから、その分析から行う必要があり、能力バトル的な色合いが濃く出てくるところです。
この漫画の大きな魅力の一つは,集団戦を描いていること。
能力バトルというと,集団対集団の戦いであっても,いつの間にか敵味方ともにバラけて,一対一のバトルが描かれるだけ,という漫画も多い気がします。
それには,作者の力量だとか,読者の認識能力への配慮だとか,いろいろと事情があるのでしょうが,この漫画では安易な一対一は連発されません。
3人対3人でそれぞれの連携が描かれたり,ときには強キャラ一人を数のごり押しで苦しめたり,と一対一のバトルにはない楽しさが味わえます。
また、一対一のバトルの場合、勝敗は,単純に力の差で決着が着くことも多いと思います。
しかし、集団戦の場合、弱いキャラであっても、弱いなりに囮の動きをしたり、時間を稼いだり,敵の能力を暴いたりと,見せ場を作ることができるのも良いところだと思います。
また,もう一つの大きな魅力は「再読性」の高さ。
ここでいう「再読性」とは,再読に耐え得る、何度も読めば読むほど面白い、といったくらいの意味です。
この漫画全体のキャッチコピーとしては,「遅効性SF」,第1巻のキャッチコピーとしては「やがてその意味に気付く物語」,というものがあり,これらのコピーは上記の再読性の高さを示しています。
例えば,その戦闘描写。
前述のとおり,集団戦を描いていることもあって,1回目に読んだだけでは,細かくどんなバトルが行われているのかはよく呑み込めない部分があると思います。
(私の頭が悪いのかもしれませんが…)
それが,何回か読んでいくうちに,個々のキャラの顔,能力,武器の特性が頭に入ってくると,戦闘において,各キャラが何をしようとしているのかが分かるようになってきます。
そうすると,細かい戦闘描写にどのような意味があるのか,が理解できるようになり,読んでいて非常に面白くなってきます。
また、連載初期にチラッと出てきたキャラが後で活躍したりして、読み返すときの発見があるのも良いところ。
さらに、未回収の伏線も多く,今後どのような展開を見せるかも楽しみなです。
ワールドトリガーの魅力については,以下の記事でも書いています。(上記の内容と重複する記載も多いですが。)
また,この漫画については,名場面・名言をまとめた記事も書きました。
2位 HUNTER×HUNTER(冨樫義博)
主人公の少年・ゴンとその仲間達との冒険を描くストーリー。
初期は能力バトルという感じではなかったものの、途中から「念能力」という設定が登場し、能力バトルの色彩が強くなっていきました。
ストーリーは、ハンター試験編、ヨークシン編、キメラアント編(蟻編)などの各編に分けることができ、基調はバトル漫画でありながら、各編で少しずつ雰囲気が違います。
能力バトルとしては、基本的に能力の探り合いから始まるタイプ。
戦略や駆け引きが熱いです。
また、念能力がある程度体系化されているのも良いところ。
強化系や操作系といった系統、「制約と誓約」といったルール設定などいかにもそれらしい設定がされています。
これらの設定を踏まえて、いろいろ考察をしはじめると止まりません。
また、ストーリーも格段の面白さがあります。
メインのストーリーはもちろんのこと、ときどき挿入される細かなキャラの背景エピソードも、それだけで作品になりそうな面白さです。
たびたび休載が挟まれますが、どんなに休載があっても読者が再開をまちつづけるのは、それだけこの漫画が面白いからでしょう。
3位 惑星のさみだれ(水上悟志)
この作品は、キャラがすごく良いんですよね。
バトルは頭脳戦というよりはストーリー性重視。
ストーリーは、ユルい雰囲気がありつつも、衝撃的な展開もあったりして油断できません。
きっちり伏線も回収していいます。
主人公が第3極なポジションなところとか「トカゲの騎士」という第一印象がダサい称号とか、一見王道から外れているように見えるけれど、実は王道、というそんな作品です。
4位 東京喰種トーキョーグール/東京喰種トーキョーグール:re(石田スイ)
(東京喰種トーキョーグール(石田スイ)第1巻(集英社)より引用)
見た目は人間と同じながら、人間を食料とする喰種(グール)。
ストーリーは、主人公・金木研が、 ある「事故」をきっかけに、半喰種となってしまうところから始まります(上記画像参照)。
金木は、喰種とこれに敵対する人間側の機関(喰種対策局〔CCG〕、通称・白鳩)の争いに巻き込まれていくのです…。
喰種側は、赫子(かぐね)という、触手みたいなもので、人間側は、クインケという刀剣などの形をした武器で戦います。
人間を食べなければ生きていけない喰種の苦悩だったり、首や手足がポンポン飛ぶグロめの描写だったり、狂気を孕んだキャラが複数出てきたり。
これらの要素からして、少年ジャンプ連載の漫画では物足りない読者が読むような、正統派厨2バトル漫画ではないかと思います。
ところどころ、文学的な香りもします。
伏線も大小さまざまなものがあったり、謎も散りばめられていて、今後の展開を予想したり、考察しながら読むのも楽しいです。
アクションシーンでは、ときどき、何が起きてるのか絵的に分かりづらいのが玉にキズ。
5位 ジョジョの奇妙な冒険(荒木飛呂彦)
ブログのタイトルをこの漫画からとっているくらい好きな漫画です。
(どうせなら第1部から読んでほしい,けれどもそれだと全体が長すぎるので勧めにくい,という葛藤からこの順位。)
好きなところが多すぎて何を書いてオススメして良いのか分りませんが,よく言われるポイントは,以下のとおり。
・バトルは、敵の能力を推測するところからの頭脳戦。覚醒や謎理論,ご都合主義的展開もないではありませんが、勢いのあるこれらの展開もまた魅力のうち。
・セリフ回しやジョジョ立ちといわれるポージング,ファッションのセンスが独特。最初は、とまどいますが、だんだんクセになってきます。
・シリーズ全体を通したテーマは「人間賛歌」。勇気を持つことや運命にあらがうことの素晴らしさが描かれます。
・第1部~第8部に分かれており,それぞれ主人公その他の登場人物・敵・舞台などが異なっています(一部共通)。この仕組みによって,様々なタイプの物語を楽しみつつ,各部をまたいだ因縁も楽しめるようになっています。また,バトル漫画にありがちなインフレの抑止にもなっているのも良いところ。
いつかちゃんとしたオススメ記事を書きたいなーと思ってます。
絵柄が週刊少年ジャンプにしては特殊ですが、まずは一読してみてほしい作品です。
関連記事
ジョジョの奇妙なおとぎばなし・第4部「大きなカブは引き抜けない」
6位 ダーウィンズゲーム(FLIPFLOPs)
謎のソーシャルゲームアプリによって、能力を与えられ、デスゲームに巻き込まれる、という、まあありがちな設定です。
全体的にわりとありがちな設定が多いのですが、その王道的展開をきっちり仕上げているイメージ。
ソーシャルゲーム・MMOっぽい要素が少しあるところがやや新しいでしょうか。
(上手くその設定を使えているかというと疑問もありますが…。)
絵はキレイですし、そこそこテンポも良いです。
頭脳戦的なところもあるのですが、どちらかというと、俺Tueeee!的な要素が多いかもしれません。
普通の高校生だったはずの主人公(上記画像参照)が、いつのまにか武術の達人みたいになったりします。
この作品の特徴の1つは、能力に序列があること。
主人公が能力の中でもトップクラスの能力を持ってるようなので、最初は、この設定はどうなんだろう?と思いました。
基本的には、平等なルールのもとでのバトルが好きな方なので…。
もっとも、よく考えれば、理不尽なデスゲームを強要してくる主催者が、プレイヤー間の公平・平等に気をつかうのも変な話で、プレイヤー間に不平等があるのもむしろ自然なのかもしれません。
ストーリーとしては、運営者の狙いやゲームの謎で引っ張っているところもあり、今後の展開に期待です。
7位 文豪ストレイドッグス(朝霧カフカ,春河35)
登場キャラはみな文豪から名前がとられており、その能力名もその文豪の著作だったりします。
名前をとっているだけで登場キャラは作家をしているというわけではなく、主人公サイドは探偵社に所属しています。
梶井基次郎の能力が「レモン爆弾」に関するものだったりと作家に関するエピソードや作品内容とリンクした内容ににやりとさせられたりもします。
もっとも、元ネタから離れた要素もけっこうあったりして、そこら辺は好みが分かれるかもしれません。
(私自身、文学に詳しいわけではなく、元ネタがわからなくても楽しめています。)
実在の人物をモデルにした能力バトルものは、もしあの人が登場したら…と妄想できるのが良いですね。
8位 僕のヒーローアカデミア(堀越耕平)
ヒーロー物の能力バトル。
ヒーローが制度化された社会。
主人公の緑谷出久(いずく。通称デク)が、ヒーローを育成する雄英高校で最高のヒーローを目指すストーリー。
この漫画のように、ヒーローが制度化されていて、その生計の描写があったりする作品は、ワンパンマン、THE PENIS MAN、タイガー&バニーなど結構多い気がしますね。
漫画としては、最近流行りのわらわらキャラが出てくるタイプ。
少年ジャンプ掲載であることから、東京グールと違って、キャラの死亡でキャラを整理できないので、そのうち収集がつかなくなりそうな…。
バトルの描写は、頭脳戦と根性論のバランスが良い気がします。
主人公こそ王道のパワー増強型ですが、周りのキャラにトリッキーな能力持ちがいるので楽しめます。
9位 BLEACH(久保帯人)
最高のオサレ漫画です。
ある出来事から死神代行となった高校生・黒崎一護の戦いが描かれます。
バトルは、雰囲気を楽しむタイプ。
頭脳戦を期待するのはやめましょう。
この漫画の魅力は、なんといっても「オサレ感」。
ネガティブな言われ方もしますが、用語や能力発動時の言葉(解号)、詠唱がいちいちカッコ良いんです。
また、キャラデザの良さにも定評があります。
ライブ感で描いてるんだろうなー、と思って読んでいると、意外な伏線にも驚かされたり。
ネットでの評価は過小評価だと思ってます。
長期連載の途中でダレたという評価もなくはないですが、一応キレイに完結していますので、ぜひ読んでみてください。
ネタ記事ですが、雰囲気を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
(ただし、後半にネタバレがあります。)
10位 金色のガッシュ!!(雷句誠)
天才的な中学生・清麿が、魔界の子・ガッシュ とともに、魔界の王を決める戦いに巻き込まれていく話。
ガッシュは、人間界に送り込まれた100人の魔界の子の1人。
魔界の子たちは、1人ずつ人間をパートナーに選び、100組の中で勝ち残った者が次の魔界の王になれるのです。
単に主人公1人が能力者という漫画と違い、こちらは、タッグ形式・バディもの的な内容。
100組の魔物の子と人間のパートナーのペアにそれぞれのドラマがあります。
熱いところは熱く、笑えるところは笑え、泣けるところは泣ける、という色々な側面をもった作品。
(某ボスがぽっと出な感じは否めませんが、展開が熱いので嫌いではありません。)
対象年齢は、低年齢層もカバーしているとは思いますが、大人が読んだらつまらないということではないと思います。
11位 ハイラのSP‐龍伐庁調査執行部第3課-(榊原瑞紀)
「人外」VS「竜騎士」のお役所サスペンスアクション。
「異類」と呼ばれる人外の怪物。
鬼をはじめとする「異類」は、全国に潜伏し、ひそかに人間を食料として暮らしています。
その異類を消滅させることができるのは、「龍騎士」と呼ばれる特殊能力を持った者のみ。
この漫画では、新たに龍騎士になった10歳の少年・「ハイラ」(下記画像参照。)とこれをサポートする行政機関・龍伐庁の「ハイラユニット」の活躍が描かれます。
メインとなるのは、「リフジン」を憎む熱血漢・来生(きすぎ)と冷静沈着な主任・真永。
普通だったら龍騎士がメインになりそうですが,「ハイラのSP」のタイトル通り,龍騎士ハイラを支える2人に(も)スポットが当たっているところに独自性を感じます。
また,「正義に燃える熱血タイプ」と「クールな知性派」のバディもの、というのは、わりとありがちですが、描き方が上手いのでなかなか引き込まれます。
また、このマンガの特徴の一つは、ハイラの存在。
龍騎士は、日本に12人しかいない,特殊能力を持った貴重な存在。
そのため、ハイラユニットのメンバーはその命令に服従しないといけません。
ハイラは,それをいいことに,年上のメンバーに大きな態度をとったり,ワガママ放題だったり…。
ハイラは10歳の少年なので、まだまだ未熟なところもあり、それが今後どのように成長していくかも見所です。
異類退治については、異類の側や龍伐庁内部に不穏な動きもあり、こちらの展開も見逃せません。
異類退治の行く末と人間関係の変化が両方楽しめるマンガです。
12位 サイケまたしても(福地翼)
タイムリープ×能力バトル。
無気力な中学生・葛代斎下(サイケ)は、ある日、「今日をやり直す能力」を身につける、というストーリー。
タイプリープは強力といえば強力ですが、その他の身体能力は凡人で非力な主人公。
その主人公が能力を駆使して強敵に立ち向かっていくのはなかなか面白いです。
頭脳戦の面白さは、さすが「うえきの法則」の作者。
序盤の展開は、タイプリープものでありがちな展開ですが、能力バトルが始まると徐々に面白くなってきます。
まだ、既刊7巻とそこまで長期の連載ではないので、今後の展開に期待です。
13位 テラフォーマーズ(貴家悠,橘賢一)
動物系SF能力バトル。
特殊な手術で動物の能力を手に入れたキャラたちが、進化したゴキブリと戦ったり、内輪で戦ったりします。
序盤は、バタバタ人が死んでいきましたが、最近は、あんまりそうでもありません。
動物のウンチクをナレーションで入れつつバトルが展開されるスタイル。
ケレン味たっぷりのバトルはなかなか面白いです。
一巻がピークという説もありますが、最近の展開も嫌いではないです。
お気に入りは、ナレーションがぶった切られる演出と唐突なギャグシーン。
14位 うえきの法則(福地翼)
主人公・植木耕助が神の座を巡る戦いに巻き込まれるストーリー。
登場する能力は、いずれも「〇〇を××に変える能力」。
能力バトルとしては、能力の内容・バトルの展開ともにトリッキーなものが多いイメージです。
頭脳戦が好きな人はオススメです。
伏線の回収も見事。
続編の「うえきの法則+」もあります。
15位 ARMS(皆川亮二)
皆川亮二作品はどれも面白いのですが、これが一番好きかもしれません。
良い意味での厨二病的な漫画。
有名な見開きシーンは、何度読んでもカッコ良い!
また、能力漫画にありがちな「無能力者だけどすごく強いキャラ」である某キャラは、屈指の名キャラです。
16位 幽☆遊☆白書(冨樫博満)
ハンターハンターよりもストレートな能力バトル漫画のイメージ。
トーナメント形式は単純だけど、やっぱりワクワクしますね。
厨二病度もなかなか高いです。
戸愚呂弟の存在感や邪王炎殺黒龍波のかっこよさ、有名な「『キャベツ畑』や『コウノトリ』を〜」を始めとする数々の名言など様々な魅力にあふれています。
17位 鋼の錬金術師
引き伸ばしもなく、きっちり伏線も回収してきれいに完結した作品。
主人公が強すぎないのも良いところ。
18位 THE PENISMAN(石田スイ)
「東京喰種」の石田スイの商業デビュー前のウェブ漫画。
残念ながら,現在は既に消去されているようです。
タイトルがアレですが,中身もわりとそのままです。
主人公は、首から上が男性器そのものなヒーロー。
しかも、怪人を倒すと、怪人に対して白くてどろりとした液体をかけます…。
設定だけ読むと大分ひどいですし,他の登場キャラも見た目はパロディや下ネタだらけです。
しかし,ストーリーは、通り一遍のコメディ寄りアクションというわけではなく、一筋縄ではいかない展開になっており,非常に良いところで中断されていたのです。
商業デビューの時点で続きを読むのは難しそうになっていましたが,現時点ではさらに難しいでしょうね…。
19位 炎炎の消防隊
炎系能力バトル。
登場キャラがみんな炎系の能力なんて成り立つのかと思いましたが、ちゃんとバリエーションがついていました。
今後の展開に期待大です。
20位 武装錬金(和月伸宏)
錬金術によって創造される武器「武装錬金(ブソウレンキン)」による能力バトル。
例えば,主人公・武藤カズキは,突撃槍(ランス)の武装錬金を使います。
中身は王道ど真ん中の少年漫画。
ただし,ヒロインの決め台詞が「臓物(はらわた)をブチ撒けろ!」だったり,敵味方ともに独特の個性あふれるキャラが多いので,「変態だらけのイロモノ漫画」みたいな言われ方をすることもあります。
イロモノな部分があることは否定しませんが,ストーリーはしっかり王道なので,イロモノ要素にひかずに読んでみてください。
この作品の前の「GUN BLAZE WEST」もよさそうだったんですけどね…
(あえなく打ちきり。)
21位 出会って5秒でバトル(みやこかしわ,はらわたさいぞう)
いつもと変わりない日常を過ごしていた普通の人たちが,突然,謎の団体に拉致され,一人一つずつの特殊能力を与えられる。
彼らは,謎の団体によってデス・ゲームを強制されるのだった…。
ここまでのあらすじでは作品が特定できないくらい、わりとありがちな設定かもしれません。
この漫画の面白いところは、主人公・白柳アキラの能力「詭弁家(ソフィスト)」です。
その能力は、「相手があなた(主人公)の能力だと思った能力」というもの。
ハッタリをかまして,相手にすごい能力だと信じさせることができれば、どんな能力でも自由に使える一方で、何も信じさせることができなければ,何も能力が使えず,なすすべがなくなります。
数ある能力バトル漫画の主人公の中でも,なかなかにトリッキーな能力ではないでしょうか。
否が応でも頭脳戦になりそうな能力なので,知略を尽くしたバトルが期待されます。
まだ,ストーリーは序盤と思われるので、今後の展開が楽しみです。
22位 NARUTO-ナルト-(岸本斉史)
忍者たちによる能力バトル漫画。
落ちこぼれ忍者・うずまきナルトが,里一番の忍び「火影」を目指します。
スケールの大きくなっていく後半も良いですが,中忍試験など初期のころの頭脳戦も良いものです。
23位 バジリスク~甲賀忍法帖~(せがわまさき,山田風太郎)
能力バトルの先駆けともいわれる山田風太郎の忍法帖シリーズの一つのコミカライズ。
徳川3代将軍の跡取りを決めるため,甲賀と伊賀,それぞれ手練れの忍者10名による殺し合いを行うことに。
しかし,甲賀の忍者・幻之助と伊賀の忍者・朧は恋人同士だった…というストーリー。
原作から大きく改変されたところもなさそうですが,いま読んでも能力は多彩で,全く古くは感じません。
バトルのテンポもちょうどよくサクサク話が進みます。
24位 世界鬼(岡部閏)
鏡の中に幻覚が見える奇病「鏡の国のアリス症候群」。
この病気の患者たちが,異世界に召喚されて「世界鬼」という怪物と戦うストーリー。
性的虐待を受けている主人公,セックス依存症の女子高生,薬物中毒の元自衛官となかなかアクの強いキャラがそろっています。
かなり重めのストーリーで人を選ぶところはありますが,2巻まで読んでいただけると,この作品の良さが見えてくると思います。
25位 烈火の炎(安西信行)
主人公・花菱烈火は,忍者に憧れる炎使いです。
内容は,まさに王道の能力バトルもの。
風使い,水使い,重力使いなど定番の能力が登場します。
幽遊白書のパクリと批判されたりすることもあり,その批判も分らなくはありません。
それでも,特に後半はオリジナリティーもあって良かったと思うのです。
初期と終盤での画力の伸びもすごいところ。
26位 Get Backers-奪還屋-(青樹佑夜,綾峰欄人)
厨2病的能力バトル。
奪われたものを相手から奪い返す「奪還屋」の2人が主人公。
主人公の1人,美堂蛮の能力は,1分間幻影を見せること(ただし,1日3回までしか使えない)。
もう1人の主人公,天野銀次は,電気を発生させることができます。
とにかく作中用語やキャラクターが厨2病的にかっこ良い。
バトルについては,駆け引きや頭脳戦というよりは,雰囲気を楽しむべき漫画です。
インフレがひどい,みたいなことを言われたりもしますが,インフレしても面白いものは面白いのです。
27位 胎界主(鮒寿司)
「全頁総天然色」のダークファンタジー。
短い文章では説明しにくいですが,壮大で緻密な世界観・設定,頭脳戦,いくつもの伏線などなど,魅力いっぱいの作品です。
最初は,設定がなかなか飲み込みにくいと思いますが,読んでいくうちにきっとどっぷりハマっていくでしょう。
28位 封神演義
中国の古典「封神演義」をモチーフにした作品ですが,原作からは大分変更されているところも多いようです。
週刊少年ジャンプの人気作品にしては珍しく,無駄な引き延ばしもなく,打ち切りもなく,きっちり伏線を回収して完結した稀有な作品。
「私が本気を出した以上…仙人界は(略)」のシーンは,何度読んでも,印象的かつかっこ良い名場面です。
29位 ONE PIECE(尾田栄一郎)
いわずと知れた人気漫画。
海賊王を目指す主人公・ルフィと仲間たちの冒険が描かれます。
主人公・ルフィは「ゴムゴムの実」を食べることによって力を得た全身ゴム人間。
「ゴムゴムの○○」という技名は,最初はかっこ悪く思えたのですが,読んでいくうちにかっこよいような気もしてくるから不思議です。
バトルの面白さというよりは,ストーリーや世界観,ギャグパートを楽しむ漫画だと勝手に思っています。
(紹介が適当ですみません。)
30位 戦闘破壊学園ダンゲロス(横田卓馬,架神恭介)
名作web漫画「オナニーマスター黒沢」もこの人なんですね。
さて,この漫画は,下ネタ・パロディ・ギャグ満載の学園能力バトル。
ある高校を舞台に,番長グループと生徒会との死闘が描かれます。
とにかく「能力」のオリジナリティーがすごい。
周囲の男性に,ありとあらゆる性病を発症させ,睾丸を爆発させる能力「災玉」,カレーの辛さを自由に操作する能力,UFOを召還して対象へのアブダクションを行う能力「木曜スペシャル」などなど,他の漫画では全く見たこともない能力の目白押し。
バトル描写もきちんと能力バトルしていて面白いです。
31位 キリングバイツ(村田真哉,隅田かずあさ)
遺伝子強化技術によって動物の能力を得た獣人たちによるバトルもの。
各キャラが、それぞれ動物の遺伝子を組み込まれており、財閥同士の代理戦争「牙闘(キリングバイツ)」において戦います。
動物に関する豆知識をナレーションで挿入しつつ、バトルが描かれるところは,テラフォーマーズに似ていますね。
また,特徴的なのは、女性キャラとそのサービスシーンの多さ。
男性キャラもそこそこいるのですが,既刊6巻のうち、5巻の表紙が女性キャラ、というあたりで,なんとなくその雰囲気は分かるかと思います。
この漫画のそんな所をあざといと思うか、喜ぶかは好みが分かれるところかもしれません。
獣耳好き・獣人女性キャラ好きは必読です。
32位 めだかボックス(西尾維新,暁月あきら)
最初はそうでもなかったのですが,連載途中で方向転換して能力バトル漫画になりました。
バトルは言ったもん勝ちみたいな感じですが,「球磨川禊」や「安心院なじみ」といった魅力的なキャラが生まれたのは素晴らしいと思います。
他にも, 言葉遊び・パロディ・メタ発言など,原作者の西尾維新らしい要素満載の漫画です。
33位 リィンカーネーションの花弁(小西幹久)
偉人や罪人を前世に持つ者が、前世からその才能を引き出して戦うという能力バトルもの。
偉人モチーフのバトルものというと、過去にもたくさんありますね。
ノブナガン、第九のマギア(音楽家)、ハイファイクラスタ、文豪ストレイドッグス(作家)、ドリフターズ、Fate/stay nightなどなど…。
あらすじ:
主人公・扇寺東耶(せんじ とうや)は,ありとあらゆる習い事に挑戦したものの、どの分野でも目立った才能は見つからなかった。
彼は、自分は「持たざる者」であると絶望していた。
一方,東耶の同級生の灰都は,圧倒的な剣の才能を持っており,東耶は,灰都のことを、自分とは違って才能を「持つ者」だと思っていた。
しかし、彼は、灰都に、「私達は似ている」と言われる。
果してその理由とは…?
このマンガで特筆すべきは、各キャラクターの能力の圧倒的強さ。
各キャラクターが,他の能力バトル漫画にいたら、上位幹部〜ボス級になれるような強力な能力を持っています。
これらの強力なキャラのバトルが,サクサクと進むところはなかなか読んでいて楽しいものです。
また、ストーリーも最初は単調でしたが、中盤からはなかなか一筋縄ではいかないものになっています。
34位 サツリクルート(吉宗,MITA)
就職活動に能力バトルの概念を持ち込んだ,おそらく唯一無二の能力バトル漫画。
やや突破な世界設定なので,読み始める段階では少し戸惑うところがあるかもしれません。
主人公の能力がそこまで強力ではないので、この能力を活かしてどう立ち回るかが楽しめます。
直接命を奪り合うバトルではないので、通常の能力バトルと違うタイプの能力が登場・活躍するところも良いですね。
主人公の能力も,通常のバトル漫画では何の役に立たないものになっています。
個別の記事はこちら。
35位 超人戦線(青山広美,山根和俊)
ストーリーの前半では、特殊能力を与えられた一般人と様々な分野における達人との一対一のバトル描かれます。
例えば、「念動力(ただし,動かすことができるのは野球ボールの質量まで)を与えられたフリーター」VS「プロのスナイパー」。
一般人は,肉体的にも精神的にも弱い一方で,非常に強力な能力が与えられます。
これに対して,何の能力を与えられないながらも、これまで培ってきた自身の知識や経験,技量で対抗する各分野の達人たち。
それぞれの対決がオムニバス的になっているので、どちらが勝つかが予想できないのも良いところです。
また,「ギャンブルフィッシュ」の原作・作画コンビならではの,強烈な個性を持ったキャラクターたちも魅力です。
現在は、ストーリーが次の段階に進んでいるところ(ネタバレになるので詳細は伏せます)。
このように,第1部・第2部のようにストーリーが段階的に進むのは,最近の能力バトルの流行りなんでしょうか。
マンネリやインフレを防止するための一つの工夫かもしれません。
36位 ワンパンマン(ONE,村田雄介)
どんな敵でも「ワンパン(チ)」で倒せるヒーロー,サイタマ(見た目はアンパンマン風)の物語。
もともとは原作者ONEの漫画でしたが,「アイシールド21」の村田雄介によってリメイクされました。
ヒーローが制度化されていて,多彩なヒーローが出てくるところが魅力です。
このあたりは,僕のヒーローアカデミアやTHE PENISMANに通じるところがありますね。
37位 魔法少女育成計画(江戸屋ぽち,マルイノ,遠藤浅蜊)
ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」をプレイすることで魔法少女になった者たち。
魔法少女たちは,ある日,運営側から,魔法少女を半減させる,との通知を受ける…。
というストーリー。
全2巻で,とにかく展開が早いです。
ぼーっと最初に読んでいたらストーリーが全くよく分らず,ゆっくり読み返してやっと把握できたくらい。
だらだら引き延ばす漫画に慣れていると,この展開の速さは新鮮でした。
ただ,もう少し,じっくり描いても良かったんじゃないかなーという気もします。
38位 極黒のブリュンヒルデ(岡本倫)
タイトルは読みにくいですが,「ごくこく」と読みます。
特殊能力を持った「魔法使い」のバトルを描くシリアスでダークなストーリーが本筋。
ただそれだけではなく,ハーレム展開あり,唐突なギャグ・下ネタあり,ややグロありと色々詰まってます。
後半に失速した印象があり,ラストは同じ作者の「ノノノノ」を思い起こす感じというかなんといか…。
まあ色々と事情があるのでしょう。
39位 未来日記(えすのサカエ)
未来が記される日記を所有する12人によるバトルロイヤル・デスゲームもの。
能力がいずれも日記限定でありながら,自分が行う殺人について記載される「殺人日記」,警察官として自らが行う捜査の状況が記載される「捜査日記」など,それぞれの持つ日記がそのキャラの属性・個性に即しているのが面白いところ。
また,「ヤンデレ」ヒロイン・我妻由乃や伏線回収も魅力的です。
40位 魔法少女サイト(佐藤健太郎)
作者は,魔法少女×スプラッター漫画「魔法少女・オブ・ジ・エンド」の佐藤健太郎。
「魔法少女・オブ・ジ・エンド」と同様,こちらも魔法少女を題材にしたダークな内容です。
同級生からのいじめや兄からの虐待に苦しんでいた朝霧彩。
そんな彩は,ある日,突然,正体不明のサイト「魔法少女サイト」に接続し,ステッキを与えられて魔法少女になります。
しかし,そんな「魔法少女サイト」にはどうやら裏があって…。
というストーリー。
序盤は,魔法少女同士のデスゲームの様相を呈していましたが,最近はまた少し違った展開を見せています。
41位 汐ノ宮綾音は間違えない(朝霧カフカ,仲村ユキトシ)
原作は「文豪ストレイドッグス」の朝霧カフカ。
わらしべ長者的な能力バトル。
主人公は、汐ノ宮綾音。見た目は、俺妹やレールガン的な雰囲気ですね。
その能力は、「靴紐を操る能力」。
強力な能力を誇るキャラが乱立する能力バトル漫画においては、大して強くなさそうです…。
しかし、その主人公の能力の弱さをカバーするのが,この漫画の設定「交換(エクスチェンジ)」。
この漫画では,一定の手順を踏むことで、相手の能力者と自分の能力とを交換することができるのです。
主人公・綾音は、この能力交換と自身の知略を駆使して,「人類最強の能力者」に立ち向かうことになります。
色々と気になる粗もないではないですが、能力の交換という発想や意外と重めの展開が面白いマンガです。
42位 多数欠(宮川大河)
ある日突然、「皇帝」を名乗る者によって毎日「多数欠」が行われるようになった…。
「多数欠」では,2択の質問が出題され、多数派は全員死ぬ。
このシンプルかつ斬新な設定が魅力的です。
第1部では、特殊能力「特権」と「権利」を使って、主人公たちが皇帝に立ち向かう姿が描かれます。
2択の質問で多数派が死ぬことから,毎日,人口が少なくとも半減するわけで,社会は一気に崩壊します。
その荒廃した世界でのサバイバル的な要素も,ストーリーにおけるアクセントになっています。
現在では第2部が連載中。
こちらも今後が楽しみです。
43位 伊賀の影丸(横山光輝)
少年向け能力バトル漫画の草分け的作品。
主人公の影丸は伊賀流の忍者。木の葉隠れという葉っぱを用いた忍術を得意とします。
連載開始は1961年と相当昔ですが,いま読んでもそこまで古さを感じさせません。
敵味方問わずキャラがバンバン死んでいく展開は,最近の作品にも通じところを感じます。
ところで,一部,忍者の能力が山田風太郎の小説そのままみたいなところもありますが,当時はそういうのにも寛容だったんでしょうか…?
オマージュやインスパイアなんですかね。
横山光輝の作品だと「地球ナンバーV-7」などもあります。
44位 BLACK CAT(矢吹健太朗)
元・伝説の暗殺者のガンマン・トレインとその仲間たちによるバトルもの。
連載当時は「パクリ」だの「知欠」だの言われて散々に叩かれているイメージがありました。
中身は正統派厨2病漫画といった趣で,非常に面白いと思います。
「幻想虎徹(イマジンブレード)」のネーミングが好きでした。
しかし,女性キャラは可愛かったとはいえ,ここからまさか「ToLOVEる」に繋がるとは…。
45位 シャーマンキング(武井宏之)
シャーマンである主人公・麻倉葉の「シャーマンファイト」におけるバトルが描かれます。
主人公・麻倉葉の性格が非常に「ゆるい」。
この脱力系主人公の真似をしてしまった読者も多いかもしれません…。
インフレが著しいところもありますが,オーバーソウルや天使,女性キャラなどデザインがすごく好きでした。
衝撃的な形で打ち切りになりましたが,完全版で完結。
続編の「シャーマンキングFLOWERS」もあります。
46位 蒼い世界の中心で(アナスタシア・シェスタコワ,クリムゾン)
特殊能力「キラー」を持つものが戦うバトルファンタジー。
単体の漫画として楽しめるだけでなく,コンシューマーゲーム業界の栄枯盛衰の歴史を表しているというすごい漫画です。
コンシューム大陸では,ニンテルド帝国とセグア王国が戦争を繰り返している…とそんな設定です。
ゲームにあまり詳しくなくてもにやりとさせられるところがいくつもありました。
詳しい人ならより楽しめるでしょう。
再読するときに元ネタを調べながら読むのも面白いです。
また,ゲーム業界ネタのことを度外視しても,ストーリー自体も魅力的なものになっています。
47位 平穏世代の韋駄天達(天原)
魔族が封印されて800年。
戦いの時代を忘れた平穏(ゆとり)世代の神、韋駄天たちと魔族たちとのバトルが描かれます。
この漫画の特徴は,韋駄天側がチート級に強力であるのに対し、魔族がそんなに強くはないところ。
弱めの魔族が韋駄天側にどう立ち向かうのか、という,普通とは逆のバトル描写の楽しみがあったりします。
また、韋駄天たちは神なので,人間とは別の倫理観・価値観を持ってるところも面白く読めます。
現在連載中の非商業web漫画の中でも,高いレベルで面白い漫画ではないでしょうか。
48位 アルティメットじゃんけん(いぬころすけ)
テレパシスト、予知能力者、超強運の持ち主、石油王、霊能者など、様々な能力を持った8名によるじゃんけんトーナメント。
設定こそ簡単に思いつきそうですが、中味はきちんとした能力バトルもの。
トーナメントの出場者は、それぞれが強力な能力の持ち主。
そのため、勝負は簡単に決着がつきそうにも思います。
しかし、それぞれの出場者が創意工夫を凝らし,戦略を練り,裏切りを重ねることで、戦いは白熱。名勝負の目白押しです。
20話完結ですっきりまとまっています。
49位 異能力バトルロイヤル(昆田竜和)
一般人が集められ、一人一つの特殊能力を与えられてバトルロイヤル、というありがちといえばありがちなストーリー。
しかし、非常に特徴的なのは、主人公の能力です。
それは、「わりばしをきれいに割ることのできる能力」。
数多の能力バトル漫画の中で、主人公の能力の第一印象としては最弱ではないでしょうか…。
(「汐ノ宮綾音は間違えない」の初期の能力「靴ひもを自由に操る能力」の方がまだ強そう・・・?)
いったいこの能力でどこまでいけるのか,と思って読んでいたのですが,残念ながら、ストーリーの途中で更新が止まったまま。
作者のホームページも消えてるようです。
50位 テニスの王子様/新テニスの王子様(許斐剛)
初期は,地に足の着いたテニスをしていたのですが,だんだんと現実離れした内容になっていったテニス漫画。
文字通り,宙に浮いているかのように見えるキャラもいますし、分身したり、ブラックホールを作り出したり、相手をボールで吹き飛ばしたり、と下手な能力バトル漫画よりも強そうなキャラもいます。
昔から,「必殺シュート」「魔球」の出てくるスポーツ漫画はあったのでしょうが, この漫画は,より能力バトルらしいな,という印象です。
こういうタイプの漫画は,作者が本気でやってるのかネタでやってるのかわからない時期が一番面白くて,露骨にネタに走られるとちょっとなー,という気もします。
終わりに
限定されたジャンルでランキング50位とか,それはそもそもオススメなのか?という向きもあるかもしれません。
しかし,驚くべきことに,まだまだこのランキングに入っていない能力バトル漫画はたくさんあるのです・・・。
もしかしたら,挙げるのを忘れている漫画もあるかもしれません。
「これが入っていない !」「この漫画はもっと上でいいはず!」などなど何か意見があればお寄せ下さい。
※書き上げてから抜けているのに気づいたり,内容がうろ覚えだったりしてランキングには入っていない漫画:
マテリアル・パズル,アカメが斬る!,PYREN,タブー・タトゥー,DARKER THAN BLACK
(気が向いたら時間があるときにランキングに書き足すかもしれません。)
その他のオススメ記事
週刊少年ジャンプにおけるラッパー・ヒップホップ的なキャラに関する覚書
語尾にYo!とかついたり、韻を踏んで喋ったりするキャラなど。
(そもそもこのジャンルをよく分かってないので、これが、ラッパー・ヒップホップ的なのかも自信はないですが…)
ハマー(浜渡浩満)(ピューと吹く!ジャガー)(2000)
虎徹大河(Mr.FULLSWING)(2001)
キラービー(NARUTO)(2008)
二枚屋王悦(BLEACH)(2012)
コウスケ(「ラップをする評論家の方」がモデル)(BORUTO NARUTO THE MOVIE)(2015)
※末尾の数字はそのキャラの初出の年号です。
(不正確な部分があるかもしれません)
ジャンプ以外かつラップ・ヒップホップに関する漫画だと「チリンヶ丘三丁目」、「ヒップホップ家系図」、「ブレイクタイム」、「サウエとラップ〜自由形〜」などがある様子。
キャラももっといる気がするけど、ぱっと思い出せるのは意外と多くありませんでした。
語尾がYo!とか、チェケラッチョとか、ステレオタイプなラッパー像が存在してパロディにしやすいことと、語尾によるキャラ付けの融合なんでしょうか。
ステレオタイプなラッパー像が確立したのって、何がきっかけで、いつごろなんですかねえ?
そのうち、調べられたら調べて見たいです。
最後に、「ラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画」へのリンクを貼っておきます。
発想がすごい。
ラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画 / 韻火-T-コックローチ - 週刊少年VIP - Web漫画とWeb小説の新都社
(いらすとやさんより)
「半沢直樹」に「涼宮ハルヒ」なぜ漫画・ドラマ・ラノベのタイトルには人名が入りやすいのか
- 1 はじめに
- 2 タイトルに人名が入っている主な文学・小説・漫画・アニメ・ドラマなど
- 3 必ずしも人名タイトルは最近だけのものではない
- 4 実在する人の名前と実在しない人の名前
- 5 人名に意味がある場合
- 6 人名が(ほぼ)置き換え可能なもの
- 7 ヒット作品の模倣?
- 8 ドラマについては漫画やアニメがルーツ?
- 9 既存タイトルと被らない
- 10 シリーズ化の利便性
- 11 リズム感・語呂の作りやすさ
- 12 終わりに
1 はじめに
「半沢直樹」、「日暮旅人」、「掟上今日子」、「トネガワ」に「大門未知子」…。
なんとなく、最近の漫画・ドラマ・ライトノベルには、タイトルに人名が入るものが多いような気がします。
そこで、少し、人名の入ったタイトルについて考えてみました。
なお、「(人名)は××ない」式のタイトルについては、以下の記事を参照ください。
2 タイトルに人名が入っている主な文学・小説・漫画・アニメ・ドラマなど
まず、これまでの作品で、タイトルに人名が入っているものはどのようなものがあるのか、おおざっぱに挙げてみましょう。
アガメムノーン(戯曲)(紀元前458)
オイディプス王(戯曲)(紀元前427頃)
源氏物語(小説)(1008頃)
ロミオとジュリエット(戯曲)(1595頃)
ハムレット(デンマークの王子ハムレットの悲劇)(戯曲)(1600〜1602頃)
ドン・キホーテ(小説)(1605)
ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険(小説)(正式タイトルは「自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述」。1719)
若きウェルテルの悩み(小説)(1774)
モンテ・クリスト伯(小説)(1844)
ジェーン・エア(小説)(1847)
不思議の国のアリス(小説)(1865)
アンナ・カレーニナ(小説)(1875)
トム・ソーヤーの冒険(小説)(1876)
カラマーゾフの兄弟(小説)(1879)
三四郎(小説)(1908)
グレート・ギャツビー(小説)(1925)
のらくろ(漫画)(1931)
冒険ダン吉(漫画)(1933)
走れメロス(小説)(1940)
サザエさん(漫画)(1946)
シェーン(映画)(1953)
フラニーとゾーイー(小説)(1961)
おそ松くん(漫画)(1962)
ひみつのアッコちゃん(漫画)(1962)
水戸黄門(ブラザー劇場)(ドラマ)(1964)
Bonnie and Clyde(映画。俺たちに明日はない)(1967)
あしたのジョー(漫画)(1968)
ゴルゴ13(漫画)(1968)
ドラえもん(漫画)(1969)
Butch Cassidy and the Sundance Kid(映画。明日に向かって撃て!)(1969)
BLACK JACK(漫画)(1973)
モモ(小説)(1973)
キン肉マン(漫画)(1979)
グイン・サーガ1 豹頭の仮面(小説。ライトノベルとするかは争いがある。)(1979)
3年B組金八先生(ドラマ)(1979)
キャプテン翼(漫画)(1981)
ランボー(映画。原題はFirst Blood)(1982)
インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説(映画)(1984)
聖闘士星矢(漫画)(1986)
ちびまる子ちゃん(漫画)(1986)
ジョジョの奇妙な冒険(漫画)(1987)
らんま1/2(漫画)1987)
それいけ!アンパンマン(アニメ)(1988。原型の読み物は1969)
DRAGON QUEST -ダイの大冒険-(漫画)(1989)
うしおととら(漫画)(1990)
美少女戦士セーラームーン(漫画)(1992)
地獄先生ぬ〜べ〜(漫画)(1993)
名探偵コナン(漫画)(1994)
警部補 古畑任三郎(ドラマ)(1994)
レオン(映画)(1994)
フォレスト・ガンプ 一期一会(映画)(1994)
犬夜叉(漫画)(1996)
アリー my love(ドラマ。原題はAlly McBeal)(1997)
ブギーポップは笑わない(ライトノベル)(1998)
NARUTO(漫画)(1999)
キノの旅 -the Beautiful World-(ライトノベル)(2000)
アメリ(2001)
灼眼のシャナ(漫画)(2002)
特命係長 只野仁(ドラマ)(2003。原作漫画は1998)
とある魔術の禁書目録(ライトノベル)(インデックス)(2004)
トリコ(漫画)(2008)
這いよれ!ニャル子さん(ライトノベル)(2009)
ドクターX ~外科医・大門未知子~(ドラマ)(2012)
半沢直樹(ドラマ。原作小説は「オレたちバブル入行組」ほか。)(2013)
花咲舞が黙ってない(ドラマ)(2014。原作小説は「不祥事」)
探偵・日暮旅人(ドラマ)(2015。原作は2010)
地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子(ドラマ)(2016。原作小説は2014)
たくさんありすぎて全てを挙げるのはとても無理です。そのため、特に古い作品については、極めて有名なもののみに限っています。
なお、ロボットもの、ヒーローものについては、ロボット名、ヒーロー名がタイトルになっているものが多いですが、挙げだすとキリがないので除外しています。
また、思想書・宗教書・歴史書・歴史小説については、人名がタイトルになるのも当然なところがあるので除いています。
※ライトノベルについは、こちらにたくさんあげられています。
※文学作品については、こちらの回答にたくさんあがっています。
タイトルに登場人物の名前が入っている文学作品 - 趣味・旅行 解決済 | 教えて!goo
※その他人名タイトルに関するもの
ドラマタイトルに主役の名、近年なぜ多用されている? | ORICON NEWS
コラム:『イーライ~』『~チャック』『アリー~』...ドラマタイトルにもなる主人公の名前って!? | 海外ドラマNAVI
架空の人名のフルネームがタイトルに含まれている文学作品 - Togetterまとめ
3 必ずしも人名タイトルは最近だけのものではない
2のリストを見れば分かるように、人名を含むタイトル自体は、はるか昔からありました。
2で挙げた古めの作品については、極めて有名なものに限っていますから、数としても昔から相当な数があったといえそうです。
もっとも、はるか昔の人名タイトルと現代の人名タイトルでは意味合いが違う可能性があります。
かつては、マーケティング的な発想はないか、弱かったと考えられ、特に深い意図なしに人名をタイトルにした場合もあるでしょう。
それに対して、現代の商業作品について、深く考えずに人名タイトルにするということはあまりなさそうです。
原題の人名タイトルからタイトルを変更した「明日に向かって撃て!」、「俺たちに明日はない」、逆のパターンの「ランボー」、「半沢直樹」の例があるのも興味深いところです。
(なお、「ランボー」は、のちに日本のタイトルが逆輸入されたという説もあります。しかし、どうやら日本以外でも〔日本より前に〕「ランボー」というタイトルを使っていたようで、上記の説は疑わしいようです。)
4 実在する人の名前と実在しない人の名前
人名タイトルの中でも、その名前が実在する人物かどうか、という点で大きく分けることができます。
例えば、ソクラテスの弁明におけるソクラテスは実在しますが、ロミオとジュリエットのロミオ及びジュリエットは実在しません。
実在する人物の場合、人名を含むタイトルにする理由は分かりやすい場合が多いでしょう。
人物名を含むタイトルは、当該作品がまさにその人物に関するものであることを示すことができるからです。
一方、非実在の人物の名前のタイトルの場合は、そういう効果は期待できません。
5 人名に意味がある場合
非実在の人名のケースでも、その名前に意味がある場合があります。
例えば、「金田一少年の事件簿」。
タイトルの金田一少年(金田一 一)は、非実在の人物ですが、金田一という名字自体が、金田一耕助の孫であるという主人公の設定を示すものになっています。
別の例でいうと、「富士山さんは思春期」。
タイトルの富士山さん自体は非実在人物ですが、180cm超の高身長女子である主人公の性質を表した名字になっています。
これらのケースでは、人名をタイトルに持ってくる意味があると言えるでしょう。
6 人名が(ほぼ)置き換え可能なもの
4や5の例と違い、タイトルの人名が他の人名にも置き換え可能なケースがあります。
例えば、「涼宮ハルヒの憂鬱」。
この涼宮ハルヒは、ヒロインの名前さえ別なものであれば、(かつ、語呂を考えると、読み仮名4文字の名字+読み仮名3文字の名前であれば、)他の名前にも置き換え可能なのではないでしょうか。
(厳密には、「涼宮」や「ハルヒ」という名前から来る印象に意味があるのかもしれませんが…)
こうしたケースでは、特に、なぜタイトルに人名を持ってくる必要があるのか?という疑問が生じやすいように感じます。
ライトノベルのタイトルの長文化の傾向については、読者がタイトルだけで設定・あらすじが分かるようにするため、という説明がされることがあります。
(例えば、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」、「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件」)
置き換え可能な人名の場合、人名だけでは、あらすじ・設定を示す機能はありません。
もっとも、人名に加えて、その人物の肩書きや説明が加えられている場合は、長文タイトルと同様の説明ができるかもしれません。
(「刑事コロンボ」、「警部補古畑任三郎」、「古見さんは、コミュ症です」「からかい上手の高木さん」など)
7 ヒット作品の模倣?
ライトノベルでは「涼宮ハルヒの憂鬱」、ドラマでは「半沢直樹」などの大ヒット作があり、その後の同ジャンルの人名タイトルは、これらのヒット作品を意識して付けられたということはありそうです。
以下の記事でも、ドラマにおける人名タイトルの増加について、半沢直樹の影響が指摘されています。
ドラマタイトルに主役の名、近年なぜ多用されている? | ORICON NEWS
8 ドラマについては漫画やアニメがルーツ?
上記の記事では、ドラマの人名タイトルについて、漫画やアニメでは人名タイトルが普通であり、そこにルーツがあるということが示唆しれています。
2で見た通り、人名タイトルは、必ずしも漫画やアニメに限らないので、少しこの説明には疑問があるところです。
もっとも、漫画やライトノベル原作のドラマが増えている今日、漫画やライトノベルにおける人名タイトルの多さがドラマにも影響してきた、ということはあるかもしれません。
9 既存タイトルと被らない
ネーミングの際には、既存のものと被らないようにする、ということが言われることがあります。
オリジナルの人名をタイトルに使えば、既存の他の作品タイトルとは被らないようにできますから、そのためにタイトルに使われる場合もあるかもしれません。
10 シリーズ化の利便性
涼宮ハルヒの〇〇、掟上今日子の〇〇、のように、一部の人名タイトル作品は、シリーズ化した場合に、「(人名)+〇〇」というタイトルが連続していいます。
人名タイトルの場合、シリーズ化した際、このようにタイトルのバリエーションを作りやすい、というメリットはありそうです。
11 リズム感・語呂の作りやすさ
「涼宮ハルヒの憂鬱」、「結城友奈は勇者である」のように人名タイトルの中には、語呂が良かったり、韻を踏んでいるものがあります。
人物名は自由に決められるので、人名タイトルであれば語呂の良いタイトルを作りやすいといえるでしょう。
12 終わりに
他に何か理由が考えられるようでしたら、ぜひ教えてください!
最後に、人名タイトルの漫画の一つ、「汐ノ宮綾音は間違えない」を紹介しましょう。
原作は文豪ストレイドッグス原作の朝霧カフカ。
ジャンルとしては、能力バトル漫画です。
主人公は、汐ノ宮綾音(下記画像)。見た目は、俺妹やレールガン的な雰囲気ですね。
その能力は、「靴紐を操る能力」。
能力バトル漫画においては、大して強くなさそうです…。
しかし、それを克服するのがこの漫画の設定。
この漫画では、一定の手順を踏むことで、相手の能力者と能力を交換することができるのです。
綾音は、この能力の交換と自身の知略を駆使して人類最強の能力者に立ち向かうことになります。
色々と気になる粗もないではないですが、能力の交換という発想が面白いマンガです
(汐ノ宮綾音は間違えない(朝霧カフカ、仲村ユキトシ)第1巻(角川書店)より引用)
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