無能力者VS異能力者を描く知略サスペンス「無能なナナ」
今回、ご紹介する漫画は「無能なナナ」。
できれば、この記事を読む前に、以下のリンクから第1話を読んでみてください。
舞台は、能力者が集められた孤島の学園。
炎を操る能力者や氷を操る能力者など能力者モノでありがちな能力者たちが揃っています。
一方、主人公のナナは、何も能力を持たない無能力者。
実は、ナナは、人類の脅威となり得る能力者を抹殺すべく、国家から送り込まれた暗殺者なのでした。
ナナが、能力がないながら、頭脳を駆使して強力な能力者たちを人知れず殺害していくストーリーです。
主人公が、無能力者・暗殺者だとバレないように一人ずつ仕留めていくところにサスペンス感がありますね。
能力バトルものの無能力者は、よく登場しがちですが、それでも体術があったり優れた技術があることが多いでしょう。
(通りすがりのサラリーマンとか超人戦線のキャラとか)
そういうタイプの無能力者も好みではあるのですが、純粋に頭脳だけで能力者に対抗するのが面白いところです。
原作者のるーすぼーいは、成人向けゲームのシナリオライターを主にやっている人のよう。
元々、伏線を回収してのどんでん返しが得意な人のようなので、今後の展開にも期待できます。
月刊少年ガンガン連載ですが、6月12日からwebでも「ディレイ連載」というものが始まるようなので、ぜひ読んでみてください。
その他の能力バトル漫画記事はこちら
石井館長が女子高生に転生する漫画「どるから」
なんかまた不思議な設定の漫画が始まりましたね…。
K1の創始者、石井館長が脱税などの件で懲役を受けた後、トラックに轢かれて女子高生に転生するという漫画です。
わざわざ石井館長じゃなくて架空の空手家で良いんじゃないか?とか、脱税の件まで現実のことを取り入れなくても良いのでは?とか色々と疑問がわいてきますが、そういうツッコミどころもあえて見せた上で、バズるのを狙ってるんでしょうか。
アオリには、「格闘×ビジネス×女子高生」「もし女子高生が本気で空手ビジネスを始めたら…!!」とあるので、格闘ビジネス的な話が今後でてくるのでしょう。
いきなり脱税の話を突っ込んでくるあたり、業界裏話的な内容も出てくるのかもしれません。
ところで、こういう「身体は女性、魂(?)が男性」のキャラのサービスシーンがあった場合、読者は果たして喜べるのでしょうか?
幼女戦記(転生)、俺とヒーローと魔法少女(変身)、らんま1/2(変身)、バックストリートガールズ(全身整形・性転換)と色々バリエーションはありますが、限界がどこにあるのかは興味深いところです。
いずれにせよ、今後の展開が楽しみですね。
人気漫画のスピンオフはなぜ「つまらない」「ゴミ」と言われるのか
こんな記事がありました。
漫画のスピンオフが総じて「つまらない」だの「ゴミ」だの言われていますが、さて、どうなのでしょうか?
そもそもスピンオフ漫画一般が「つまらない」といえるのか?
これは、漫画の面白い・つまらなさをどう定義してどう測定するのか、ということになってくるので、そう簡単には結論は出せません。
ただ、個人的な印象でいえば、たしかにスピンオフ漫画にはつまらないものも多いように思います。
では、なぜそう感じるのか、仮につまらないものが多いのであればその理由として何が考えられるか、を検討してみたいと思います。
スピンオフ漫画をつまらなく感じやすい理由
読む前からハードルが上がっている
スピンオフの元になった漫画は、スピンオフができるくらいですから、大抵人気漫画で、それなりの面白さがあります。
スピンオフ漫画を読むときには、元の漫画のレベルを期待して読むからつまらなく感じやすいのかもしれません。
スピンオフ元とジャンルが違う
スピンオフ元がシリアスもの、スピンオフがギャグだと、シリアス好きな人には物足りなく感じるでしょう。
ギャグが好きな人の中にも、スピンオフにありがちな、キャラ萌えありきのギャグは好まない人もいそうです。
原作キャラがわちゃわちゃしてるだけで喜ばれるようなスピンオフもありますね。
そもそも大抵の漫画は「つまらない」
漫画雑誌を読んでいると、自分が面白く感じる漫画なんて一握りだったりするのではないでしょうか。
そういう意味では、漫画なんてその人にとってつまらなく当たり前。
なのに、一旦スピンオフ漫画はつまらない、という意識を持つと、その思いが裏付けられて強くなっていくこともあるでしょう。
確証性バイアスみたいな話ですね。
スピンオフ漫画がつまらない傾向にある理由
スピンオフ元の枠からはみ出せない
スピンオフ元がシリアスで謎が謎を呼ぶ展開、スピンオフもシリアス、という場合、スピンオフの方の作品では、原作で明かされていない謎を明かすわけにはなかなかいきません。
そのため、話が単調になりやすいこともあるでしょう。
原作者が名前を貸しているだけの場合、原作者に遠慮してストーリーの幅にも限界ができそうです。
つまらなくても打ち切られない
スピンオフ漫画には、色々大人の事情もあるでしょう。
つまらなくて人気がなくても打ち切るわけにはいかないこともあると思います。
また、キャラ萌え的な漫画の場合、スピンオフ元のファンの強い支持があれば、打ち切られることはありません。
作り込まなくても人気が出る
とりあえずスピンオフ元のキャラを出しておいて、スピンオフ元とのギャップを見せたりすれば、一定の支持は得られます。
そのため、細かく作りこまなくてもよくなっているのかもしれません。
とりあえず学園ものにすればいいとか思ってそう、というのは、考えすぎでしょうか…
面白いスピンオフ漫画
それでも面白いスピンオフ漫画もたくさんあります。
パッと思いつくのはこのあたりでしょうか。
・刃牙シリーズの各スピンオフ
・中間管理職トネガワ
・ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-
以上、久しぶりの更新はスピンオフ漫画についてでした。
※タイトルを一部変更しました。
カジュアルな著作権侵害の話
年度末の忙しさでバタバタしていたら、一ヶ月以上ブログを放置してました。
久々の更新は、単なる愚痴です。
先日たまたまあるツイートを見つけました。
BLEACHの専門用語で書いた桃太郎、相当COOL。 pic.twitter.com/er67QjF7tB
— あキレす (@sagozocombo) 2017年4月29日
このブログの記事に言及してくれてはいるのですが、その方法が 記事を表示したスクリーンショット。
「相当COOL」と言ってもらえるのはありがたいですが、やり方としては著作権侵害なんですよねえ…。
ネット上ではカジュアルな著作権侵害が横行してるので、いまさら驚くこともないですが、自分でされたのを発見するのはほぼ始めてです。
逆にスクリーンショットとって貼る方が面倒じゃないんですかね?
リンクを貼るまでいかなくても、せめてブログ名ぐらいは表示してほしい…
以上、愚痴でした。
近いうちにまた漫画の記事も書きます。
はてなーの知らない爆サイ・ホスラブの世界
爆サイという掲示板を知っているでしょうか?
私自身、よく閲覧するというわけでもないですが、存在自体は知っており、そこそこメジャーな存在だと思っていました。
ところが、
「爆サイで晒されてた」という記事についたコメントを見ると、「知らなかった」というものが多くて意外でした。
独特のユーザー層を持っているという掲示板群という意味では、「ふたば☆ちゃんねる」界隈もありますが、こちらの話題では、普通に知っている前提でのコメントが多いのと対照的です。
(例えば、コメントしてる人が違うので、単純に比較はできませんが。)
はてなブックマーク - そろそろ二次裏、およびふたばちゃんねるというサイトや文化を大真面目に..
http://b.hatena.ne.jp/entry/roll8.hatenablog.com/entry/kemonofriends
爆サイは、「ニュース速報・スポーツ・動画・政治・経済・芸能から、パチンコ・スロット・お水・ホスト・風俗・ギャンブル・ゲームまでジャンルの幅広い日本最大級のローカルコミュニティ掲示板」。
後半に挙げられたジャンルからもうかがえますが、いわゆるオタクというよりは、ヤンキー寄りの客層。
ここらへんは、「ハッキング」から「今晩のおかず」までをカバーする2ちゃんねると対照的ともいえます。
(ローカルネタが多いという意味ではまちBBSが似ていますが、「お行儀の良さ」は大分違います)
地域密着型の情報も多く、上記のような晒しなんて日常茶飯事。
地域の「ヤリマン情報」や怪しげな取引が平然とかかれていたりして、クラクラしてきます。
プライバシー・名誉毀損とか刑法とか、そういうのとは無縁の世界がそこには広がっているといえるでしょう。
かつて、2ちゃんねるは「便所の落書き」と呼ばれたものですが、現在の爆サイには、まさしく「便所の落書き」と言ってよさそうな内容が溢れています。
利用者層は、おそらくヤンキー層なので、どちらかというとインテリ・ホワイトカラーの多そうな、はてなでの知名度が低いのも分からないではありません。
爆サイと似たような掲示板として、「ホスラブ(ホストラブ)」があります。
こちらは、「日本最大ホスト風俗キャバクラ掲示板」。
ジャンルがジャンルというのもあり、こちらも「個人情報とは何だったのか」と考えさせられるようなヒドい書き込みで溢れています。
ネットをやっていると、有名どころは大体知っているような気がしてきますが、自分とユーザー層が全く異なるようなサイトは全然知らなかったりしますよね。
昔のも含めれば、学校裏サイト、前略プロフ、爆サイ、ホスラブなどなど。
思わず「ネットの世界は広大だわ…」と言いたくなります。
爆サイとかホスラブにたまに迷い込んでしまったときに覚える感覚は、「闇金ウシジマくん」を読んだときと似ています。
日常生活では、あまり直接関わらないような人たちの独特の生活・行動原理を垣間見る好奇心・面白さ・怖さ。
闇金ウシジマくんのキャラみたいな人達ってほんとにいるんだな、ということも実感できたり。
知らなかった人は一度見に行ってみると面白いかもしれません。
追記:
以下の記事も詳しいです。
その他のオススメ記事
BLEACH短歌・40首
「ドラえもん短歌」があるんだから、BLEACH短歌があっても良いんじゃな意でしょうか。
わりとそのまんまのも多いですが、ご笑覧ください。
鬼道
斬魄刀・卍解
名言
その他
なぜ「やれたかも委員会」は面白いのか
あのとき、もしかしたらあの女の子とやれたかもしれない。
そんな淡い思い出について、「やれた」か否かを判定する漫画「やれたかも委員会」。
毎話すごく面白いんですが、なぜこの漫画が面白く、また人気があるのでしょうか?
※この記事には「やれたかも委員会」のネタバレを含みます。
1 議題・判定が絶妙
この漫画の基本的な流れは、
判定を求める人が、やれたかもしれない、だけどやらなかった(やれなかった)思い出を話す
↓
やれたかも委員会の委員会、能島明とパラディソはそれぞれ「やれた」、月 満子は「やれたとは言えない」と札を上げ、委員会としては「やれた」の判定
↓
月満子が「やれたとは言えない」理由をコメント
となっています。
議題の内容とこの流れがすごく絶妙なんですよね。
毎話につくはてブのコメントなどを見ると、必ず「やれた」派と「やれたとは言えない」派のコメントがあります。
それだけ両説が成り立ち得るような上手い出題をしているといえるでしょう。
また、判定の札が「やれた」と「やれたとは言えない」というのも特徴的です。
本来なら、「やれた」「やれない」の2択や、「確実にやれた」「やれないと言えない」「やれたとは言えない」「確実にやれない」の4択になるところ、あえて、「やれた」「やれたとは言えない」の2択にしているわけです。
(本当はそれ以外の札もあるけど、出してないだけかもしれませんが。)
ニュアンスとしては、「やれたとは言えない」の方が「やれた」より広いわけで、「やれたとは言えない」と言いやすい2択になってるんですよね。
他方で、相談者の内容は、「やれたかも」と言いやすい内容があったりするので、絶妙にどちらか迷いやすいようになっているのです。
2 議論のしやすさ・拡散されやすさ
一応、委員会の結論は出るものの、上記のように判定は分かれますし、議題も両論あり得るものが多いです。
そのため、はてなブックマークやSNSでは、「自分はこう思う」と言いたくなりがち。
後述の細かな仕掛けについても、気付いた人はコメントして人に知らせたくなります。
こうした議論のしやすさ等が、漫画自体の拡散に一役かっていると言えそうです。
3 ちょうど良いゲスさ
やれた、やれない、なんて基本的にはゲスい話です。
そこに、「やれたとして、やった後にどうするか(付き合うのか)」という視点はありません。
そして、ネットユーザーなんてだいたいゲスい話が好きな人達です。(偏見)
そのゲスさが、ネット上での人気の要因とも言えるでしょう。
これが「告白したら付き合えたかも委員会」だったらここまで盛り上がってないかもしれません。
一方、内容自体はそこまでゲスいストーリーはなく、ちょうど良いゲスさだと言えます。
4 細かなディテール・仕掛け
また、さらっと読んだだけでは気がつかないような仕掛けがしてあるところも素晴らしいです。
例えば、最新の「屋上でむっちゃくちゃキスしたクラブナイト」。
はてブコメントを読んで気付かされましたが、この話、よく読むと、回想時は2010年、委員会開催時は2020年なんですよね。
神聖かまってちゃん(2008年結成)、ipad発売直後(2010年発売)というのもヒントですが、決定的なのは、クラブイベントのポスターです。(イベントは2010年8月開催)。
2020年といえば、東京オリンピックの年。
家族で東京オリンピックをテレビ観戦しているときに、東京で「オリンピックでも来てんの?」と突っ込んだあの頃を思い出して、やれたかも委員会に来たのでは?なんて空想が広がります。
また、この話の最後、月満子のコメントは、一見すると、明るい照明の下で、男のルックスの粗に気付いてしまった、というようにも見えます。
しかし、よく読んで見ると、ラスト付近の「薄暗いクラブ内では…」のコマの状況では、女性からは男性の顔は見えてないんですよね。
そうすると、「クラブ内では分からなかったところ」というのは、やりたいあまり必死になりすぎてる男性のかっこ悪さ、という解釈もできるわけです。
クラブ内では率先してダンスをして盛り上げてかっこ良かったのに、ホテルで幻滅してしまった、アパホテルの照明は、男性の必死さまで照らし出してしまった、というわけです。
こんな風に、色々な小ネタ・仕掛け・解釈があり得るのも面白さ・人気の要因でしょう。
5 月満子の魅力
この漫画の魅力の根幹を担っているのが月満子といっても過言ではありません。
毎回毎回、月満子がどんなコメントで「やれたとは言えない」と言うのが楽しみかさな人も多いのではないでしょうか。
ぜひ最終回は、「月満子とやれたかもしれない話」が議題となって欲しいものです。
(能島・パラディソは「やれた」判定、月満子は「やれたとは言えない」判定。月満子が「やれたとは言えない」理由を並べて立てた後に、「今後もやれないとは言ってません」と言って終わる)
終わり
以上、やれたかも委員会の面白さについてでした。