ネタバレはどこまで許されるのか?
某ブログにおいて、某小説について「叙述トリックがある」という紹介がされました。
このことについて、色々な意見が集まっています。
(いつも楽しく読ませていただいているブログでもあり、当該ブログについて批判等をする意図はないのでブログは伏せます。)
私も、これは嫌がる人がいるかもなー、と思って初期に少しコメントしたのですが、その後、やはり批判的な意見がそれなりに集まったようです。
漫画を紹介するとき、いつもこの種の問題には悩んでいるので、これを機会に私のスタンスを書きたいと思います。
1 基本的にはマナーの問題である
ネタバレの方法・程度によっては、著作権法上の「翻案」に当たったり、不法行為が成立したりする余地もあるでしょう。
(ヤフー知恵袋では、器物損壊になるというのがベストアンサーがありましたが、さすがに無理がありそうです。)
ただ、通常の漫画・小説紹介ブログでされている程度のネタバレが、これらに当たるということは考え難く、基本的にはマナーの問題だと認識しています。
(ネタバレと称してストーリーを一から十まで書いているブログはここでいう通常に含まれません。)
2 「叙述トリックがあること」は許されないネタバレか?
マナーの問題である以上、最終的には絶対的な正解はなく、許されるか否かは人それぞれ、という話になるでしょう。
ただ、個人的には、叙述トリックがあると知って読むのと知らないで読むのとでは、読んだ時の楽しさが全く異なると感じます。
その意味で、密室トリックがあるという紹介と叙述トリックがあるという紹介では質が大きく異なるといえるのではないでしょうか。
そのため、自分であれば、叙述トリックがあると紹介するときは、ネタバレがあると冒頭に明示してから紹介すると思います。
(他の人が明示しなくてもそこまで気にはなりません。)
3 なんとなくの基準
私としては、長編漫画の場合、1巻あたりで明らかになる内容・設定・世界観については、通常、特にネタバレがある、とは明示せずに記載しています。
ただ、1巻(時には1話)の冒頭や引きで読者を驚かせるタイプの漫画もある一方、10巻、20巻を過ぎて方向転換してからが本当に面白いところ、という漫画もあるわけで、そこら辺はなんとなくの感覚で調整するしかないのかな、という感じです。
一応の基準としては、①それを記載しないと作品の良さを伝えられないか、②それを知って読むのと知らないで読むのでは、どの程度読んだときの楽しさが異なるか、ということのバランスで考えています。
極論すれば、どんでん返しがある、とか、伏線がある、ということすら知らないで読むのが、幸せな体験なのかもしれません。
私は、叙述トリックの元祖のあの作品を、何も知らずに読むという幸運に恵まれました。
もっとも、伏線などがある、ということを抽象的にすら書かないで魅力を伝えるのはなかなかに難しく、その程度の紹介は、「ネタバレなし」という扱いで勘弁いただきたいと思っています。
また、それなりに多くの人が結末を知っているであろう有名作品であっても、知らない人はいるわけで、それを安易に明らかにすることも気をつけたいところです。
(例えば、猿の惑星とか)
一方で、例えば、ドラゴンボールについて、「悟空はかめはめ波を打ちます」という記載をするのに、ネタバレ注意と書くのもどうかという気もあり、これも程度問題でしょうか。
4 自衛
読み手の立場としては、ネタバレについては、自衛に努め、それでもネタバレを踏んでしまったら自己責任だと考えています。
例えば、個人的には、本当に楽しみにしている作品(かつネタバレがありそうな話題作)で、ネタバレを絶対みたくないものについては、公開・発売直後はあんまりネットを見ないようにしています。
また、ごく親しい人にはネタバレを言わないように普段からお願いしています。
それでも、電車やバスでネタバレの会話が聞こえてきてしまうこともありますが
(自衛の余地があるからブログには何を書いても良いということを言いたいわけではありません。念のため。)
5 ブログでの記載
ブログでは、多くの人が好まないネタバレをした場合、今回のように指摘されることもあると思います。
もっと怖いのは、指摘もなく黙って読者が離れていくことでしょう。
知らず知らずのうちにそういうことがないように、自戒をこめてこの記事を書きました。
6 終わりに
ネタバレ問題については、様々な意見があり得ると思います。
何か意見があればお寄せください。
※なお、以上の記載は、ネタバレに関する注意喚起をしない場合にどこまでの記載が許されるか、という話です。
ネタバレに関する注意喚起を記事タイトル又は記事冒頭でしている場合に、どこまでが許されるかは、対読者というより、対作者・著作権者との問題であり、また別の問題だと思います。