今にも崩れそうな本棚の下で

漫画の感想を書いたり書かなかったりします。

元ネタを知らない人でも楽しめる/「ULTRAMAN」

月刊ヒーローズ連載作品。

 

タイトル通り、あの特撮の「ウルトラマン」をベースにした漫画です。

 

舞台はウルトラマンが地球を去って数十年後。

主人公は、ウルトラマンと同化していたハヤタ隊員(早田進)の息子、早田進次郎17歳。

彼が、超人的な身体能力と強化スーツの力で異星人たちと戦うストーリー。

巨大化したりはしないところが、本家とは違うところ。

強化スーツの外観も、本家の流れを組みつつも、アレンジされたデザインですね。

 

 

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強化スーツを着用した主人公(ULTRA MAN 第1巻)

 

こういうタイプの作品でありがちなのは。原作・元ネタを知らない読者が置いてきぼりにされること。

しかし、この作品では、そんなことはないように思います。

私自身、ウルトラマンについてはよく知りません。

知っているのは、3分間しか戦えない、スペシウム光線が出せる、バルタン星人が出てくるなどのほんのさわりだけ。

そんな私でも、この作品はきちんと楽しむことができます。

掲載誌の読者の年齢層もそんなに高くはなさそうですから、そういうことにも配慮した上で描かれているのではないでしょうか。

もちろん、元ネタを知った上で読んだ方が、あのキャラクターがここで登場するのか!とか、あの異星人がこのポジション?!といった驚きを楽しめる部分はあるのでしょう。

(私もwikipediaなどで時々キャラクターを調べながら読んでいます。)

それでも、知らずに読んでも楽しめるという意味で、間口の広い作品と言えると思います。

 

ストーリー自体は、普通の高校生が超人的な能力・スーツでヒーローになるという王道の展開。

アイドルとのほのかな恋愛的な展開もあり、様々な思惑を持った異星人による謎が謎を呼ぶ展開もあり、飽きさせません。

戦闘シーンもカッコ良いです。

 

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魅力的な戦闘シーン(ULTRA MAN第1巻)

 

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それぞれの思惑を持った異星人たち(ULTRA MAN第2巻)

 

既刊8巻とまだキャッチアップしやすいところ。

興味があったら、元ネタを知らないことにためらわず、読んでみてください。

 

 ちなみに、ウルトラマンの漫画というと、

ウルトラ兄弟達が居酒屋で愚痴を言う衝撃のシーンのある「ウルトラ兄弟物語」、

ホラー漫画的な楳図かずお版「ウルトラマン」(楳図かずお版 ウルトラマン:a Black Leaf (BLACK徒然草))、

怪獣が野球拳をしたりする野原正光版「ウルトラマン」、

子どものトラウマになりそうなグロさの石川賢版「ウルトラマン」(これはグロい!グロトラマン!! 石川賢版「ウルトラマンタロウ」:a Black Leaf (BLACK徒然草)

などなど個性的な漫画が揃っているようですので、こちらもお試しください。

 

※強化スーツに関する記載を一部修正しました。